午後に……

rainy day

日曜日の午後14時
カーテン越しの重い空 秒針だけが響く部屋
雲の峰を縫うように 飛行機が飛んでいく
果てまで続く 灰色スカイスクレーパー
いつかの昔に通り過ぎた遠い世界を思い出す

 

当たり前の出来事ほど
当たり前じゃなかったことに気づくの
随分時が過ぎてから 突然に

 

いやになる程耳にしたそんな言葉
我が身に落ちるまでタイムラグあり

 

しがらみは歳を追うごとに糊で綴じられて
気づけば なんと重い鎧になっていることか

 

藁にもすがる思いで
ペテン師に賭けるしかなかった人もいるだろう
わかっていながら
最後の賭けをあやふやなモノにかけるしかない状況
長く生きているとそんなこともある

 

信じていた人が信じてはいけない人だったと気づいても
気づかないふりすることがある
気づきたくない時もある

 

27階の片隅で私が見たもの
クリュッグなんてもう遥か彼方
廉価のスプマンテが私のお腹をガスだらけにする
桃もイチゴもマスカットもどこかへ行ってしまった
時は移り変わるのね
跡形もなく消えていくの

 

– ここから眺める景色は
サイレントムービー
ざらついた遠い世界を眺めるのに酷似していた –

 

針が正午を過ぎると太陽が傾き始め
強い光が魅せていた朝の眩い景色とは違い
影の部分に目がいくようになる
それまで見えていなかった部分が見えるようになる

 

淡い午後の空に
溶けている氷砂糖の月
華やかな5月に

 

今宵もバラの下で